本タイトルは、OMOCATのウェブコミック「omori ひきこもり」をもとに作られたコンピュータRPGゲームです。プレイヤーは、引きこもりの少年である2人の主人公を操作して、夢と現実を行き来し、さまざまな場所を冒険。主人公の抱えるトラウマを共有しながら、隠された記憶や真実に向き合っていきます。
ポップでカラフルなルックスの作品
アメリカのインディーゲームメーカーが手掛けた本作品は、「MOTHER」シリーズをはじめとする日本の様々なゲームから影響を受けているといいます。そのため、海外のインディゲームとは想像がつかないほど、日本のプレイヤーになじみやすいルックスになっています。ゲームのつくりや表面的なストーリーはベーシックである一方、キャラクターやサウンド、セリフなどのゲーム内のデザインはポップでカラフルな独創性に彩られているのが特徴的です。
終盤であらゆる要素を結びつける構成
本作では、失恋した宇宙海賊とのてんやわんや、お姫様のお城で巻き起こる大騒動といった一見脈絡のない物語が続きますが、ある一つの展開からこれまでのストーリーが繋がり始めます。人間の“暗部”に踏み込むような展開を見せ、ゲーム開始直後の雰囲気とは全く違うものになっていきます。
「OMORI」が描く怖さの根源
ゲーム内では驚かされるようなホラー演出もありますが、それが本作の怖さの本質ではありません。自分自身が抱えてしまった深刻な問題から逃げ出さずに、向き合うことの怖さが描かれています。さらには、逃げ続けて向き合わない怖さにも踏み込んでいきます。
しかし、本作はただの怖いストーリーではなく、同時に友情のすばらしさを教えてくれる作品でもあります。大小はあれど、誰もが抱えたことのある問題を描いた、正直で残酷、そして感動的な作品になっています。