日本の対馬島を舞台にしたオープンワールド・アクションアドベンチャー「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」は“元寇”をテーマにした架空のストーリーです。
13世紀後半の日本で実際に起こったモンゴル帝国の侵攻“元寇”。歴史上では日本はモンゴル軍を撃退したと伝えられていますが、本タイトルではモンゴル軍が日本侵攻に成功して、対馬島を制圧してしまうというフィクションの物語が展開されていきます。
対馬島の解放を目指す
物語の冒頭、モンゴル軍と日本の侍たちとの激しい戦いが始まります。しかし、侍たちは壊滅してしまいます。主人公の境井仁は気を失い、伯父である志村は、モンゴル軍の将軍・コトゥン・ハーンに捕えられてしまいます。
盗賊・ゆなに助けられ、どうにか生き延びた仁は、捕らえられてしまった志村の解放を目指します。しかし仁は戦っていくうちに、強大なモンゴル軍に対してたった一本の刀では歯が立たないことを痛感していきます。
様々な人たちとの出会いや、悲惨な状況に追い込まれていく民を目の当たりにした仁は、持ち前の剣術だけでなく “冥人(くろうど)” として暗殺術を身に付けて生きていくことを決意します。どんな方法を使ってでも、伯父の志村の奪還、そして故郷の対馬島の解放を目指していくことになります。
ゲーム内でモンゴル軍は、日本の侍が持つ「武士道精神」から見ると、不意打ちを仕掛けたり、民を誘拐・殺害するなどなんでもアリの極悪非道な存在として描かれています。仁はそんなモンゴル軍に情けは無用とばかりに戦っていきます。
黒澤明監督の時代劇をリスペクト
仁は民を助けるため、対馬を旅する最中、様々な仲間と出会うことになります。そうしたキャラクターたちが、それぞれ何らかの達人だったりするのは、名作「七人の侍」を思い起こさせてくれます。
それもそのはず、本タイトルは黒澤明監督の時代劇映画をリスペクトしていると開発者がはっきりと言っているそうです。
イベントシーンでのカメラワークやストーリー展開など、随所にオマージュを思われる演出が散りばめられています。刀で反射した光で顔が照らされるシーンなどはまさに時代劇映画そのものと言えるでしょう。
そんな演出のみならずリスペクト要素の一つに、 “黒澤モード”という画面モードが存在しています。このモードを選択すると、画面はモノクロになると同時に昔のフィルム撮影かのようなノイズが走り、音声はくぐもったような音になります。メニュー画面が見づらくなったりしてしまいますが、そうしたことどうでもよくなってしまうほどの魅力が黒澤モードにはあると言われています。
見た目は一見地味な印象も……
本タイトルはオプション機能も充実していて、UIのオンオフ切り替えや高解像度モードなどプレイ環境の様々なカスタマイズに対応。グラフィックは時代劇をリスペクトした作品なだけあってとても味わい深く、ゲームの世界観をうまく表現していますが、リアルな要素が強いため、プレイヤーによっては地味な印象を受けるかもしれません。
しかし、実際にプレイするとグラフィックの美しさが目を引くとともにアクションも侍らしく感じられ、派手に見えます。「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」の派手さは、プレイヤー自身によって作り出されるものなのでしょう。仁を操作して、いかに時代劇の主人公のようにかっこよく振舞うかが重要。それが本タイトルをプレイしていて満足を得られるポイントではないでしょうか。
海外が産み出した「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」はチャンバラアクションや時代劇に興味がある人にはオススメできるタイトルだと言えるでしょう。