本タイトルは、有名なRPGシリーズ「ゼルダの伝説」の最新作です。
このシリーズはずっと「リンク」というキャラクターが主人公でしたが、本作では姫である「ゼルダ」が主人公となっており、話題を呼んでいます。
お姫様が主人公という特徴的な設定ではあるものの、プレイの幅が広く、このシリーズらしい楽しみがしっかりと味わえるゲームです。
「姫が剣士を救う」ストーリー
いつもの「ゼルダの伝説」であれば、宿敵であるガノンに捕まったゼルダ姫を救出するため、剣士のリンクが冒険をするというストーリーが基本です。本作でも同じような成り行きでリンクがガノンと戦います。
本作の最大の特徴はここがストーリーの終わりではなく始まりということです。激戦を制し、見事ゼルダ姫を救出したリンクは、その後正体不明の「裂け目」に飲み込まれ、姿を消してしまいます。さらにその裂け目は、ゼルダ姫の父である王や、王国の人々までも飲み込んでしまったのです。
そうして残ったゼルダ姫が、リンクや父、王国の人々を救うための旅に出る、というのが本作のメインストーリーです。
プレイの鍵となる「カリモノ」
ゼルダ姫は、基本的にはリンクのように剣で戦うことはせず、敵に対する直接的な攻撃手段はあまり持っていません。そんな中主人公の旅をサポートしてくれるのは、様々なモノや魔物を覚えることで作り出せる「カリモノ」の力です。
このカリモノの力やアイテムを駆使することで、敵を倒したり謎解きをしたりと、まさに「ゼルダの伝説」らしい冒険をすることができます。
同じカリモノでも橋の代わりにしたり、敵の障害物にしたり、足場にしたりと、使い方は様々。どの力を使うのか、どこで誰に対して使うのか、といったことの自由度が高く、プレイの幅を広げてくれる要素になっています。
特に自由度が高いのが戦闘シーンで、自分で色々なタイプの魔物を作り出し、雷や氷などの属性を持った攻撃をしたり、敵からルピーを奪ったりすることができます。
ボス以外のほとんどすべての敵はカリモノとして使えるようになり、異なるカリモノや、「ふしぎな剣」「シンク」などのアイテムとの組み合わせ次第で、様々なシナジーを生み出す楽しさを味わえるのです。
こうして魔物を味方のように扱うことで愛着が湧いてきてしまうのも、シリーズの今までの作品にはなかった特徴です。
「見下ろし型」でも自由度の高いフィールド
本作の舞台となるのは、最近のオープンワールドRPGに見られるような広大なフィールドではなく、昔ながらの「見下ろし型」のフィールドです。と言っても決まった道を順番に進んでいくのではなく、力を使うことで木の上に登ったりして、道なき道をショートカットで進むこともできます。
そしてフィールドには「無の世界」への入り口が点在しており、中に入るとより立体感のあるフィールドを冒険することができます。さらに横視点で進む洞窟などのマップも多く存在するため、見下ろし型の世界に飽きることなくメリハリのある冒険ができるようになっています。
ゼルダ姫が主人公であると聞いて、多くのファンはシリーズのスピンオフ的な作品かと思ったのではないでしょうか。
実際には知恵を絞りながら自由度の高い冒険ができるという、「ゼルダの伝説」らしいタイトルだと思いました。